コンサル・顧問・伴走支援を提供する方、依頼する方へ成果を約束しない契約を、
揉めない契約に
経営やマーケティング、組織づくり、IT活用のコンサルティング契約や顧問契約は、ひな形の空欄を埋めれば終わり、というものではありません。準委任であることの書き方と請負の言葉の排除、本体と別紙・見積書の優先関係、しない業務の列挙と顧問料に含む範囲、成果を保証しない条項と支払の拒絶の防止、一括前払いの報酬の区分、成功報酬の確定と請求の分離、レベニューシェアの支払原資と分配の順序、中途解約の精算と更新の止め方、開業前の個人を相手にするときの注意、成果物とノウハウの切り分け、秘密保持と生成AIへの入力、NDAの上限と期間、業務提携や共同事業の組み立て、PoCや覚書の書き方まで、決めておくべきことが数多くあります。このガイドでは、アトラス行政書士法人がこれまで作成・レビューしてきたコンサル契約、顧問契約、成果報酬・収益分配型の契約、業務提携・共同事業の契約、秘密保持契約、PoCの覚書の実例と、条文の一次確認をもとに、コンサルや顧問を提供する方、依頼する方、提携を結ぶ方が押さえておきたいことを、テーマごとに詳しく整理しています。
コンサル契約・顧問契約を整えたい方

準委任の書き方と、しない業務の線引きから
コンサル契約は、受託者が完成を約束しない準委任の契約です。準委任であることと請負の言葉の排除、本体・別紙・見積書のどれが優先するかを最初に決めます。
顧問契約は、顧問料に含む範囲と稼働の上限、返信の目安、しない業務を書いておかないと、相談し放題の関係になりがちです。
報酬の決め方で迷っている方

月額・一括前払い・成功報酬・レベニューシェア
一括前払いは、最初に集中する設計の対価と継続支援の対価に分けておくと、途中で終わったときの精算を説明できます。単価表は別紙で完成させます。
成功報酬は成果の要件と確定・請求の時点を、レベニューシェアは分配の基礎・支払原資・分配の順序・費用の控除先を、式で書きます。
中途解約や返金で揉めたくない方

精算の一覧表と、更新の止め方
「途中でやめても返金しない」の一文だけでは、精算の争いで不利になりやすくなります。終了の理由と時期ごとの精算を一覧にして条文にします。
開業前の個人が相手方の場合は、消費者に当たるかどうかで条項の効力が変わります。相手方の属性を確かめる仕組みも契約に組み込みます。
秘密保持やNDAを確認したい方

NDAの上限・期間・定義と、生成AIへの入力
相手方から示されたNDAは、上限なし・事実上永久・「その他一切の情報」の三点から点検します。上限額は取引の実態に合わせた決め方があります。
コンサルの業務で生成AIを使うなら、入力してよい情報の区分、学習されない設定、外部AIのアカウントの名義を契約で決めておきます。
業務提携・共同事業を始める方

名前でなく中身で組む提携契約
「業務提携」の中身は、業務委託、場所の使用、営業代行、共同出資などさまざまです。中身に合った型で、組合にしない条項やお金の管理を書きます。
収益を分けることと、共同で作ったものの権利を共有することは別です。権利の帰属、競業避止、終了後の扱いまで決めておきます。
PoCや覚書を結ぶ方

付随の書類ほど丁寧に
無償のPoCでも、目的と検証事項、試験期間と後始末、意見の権利、本導入の義務がないことを覚書に書きます。
本契約に付ける覚書は、本契約とどちらが優先するか、何を変え何を変えないかを書かなければ、結んだ意味が争いになります。
このガイドの解説ページ
よくあるご質問
コンサル契約は、請負と準委任のどちらで作ればよいですか?
助言や分析が中心のコンサルは、準委任で作るのが通常です。準委任なら、専門家として相当な注意を尽くせば足り、売上などの結果に完成の責任を負いません。契約書には準委任であることを明記し、「納期」「納品」「検収」といった請負の言葉を本文と別紙から外しておきます。報告書や仕組みの構築が入る場合も、完成を請け負うものではないと書いておきます。
顧問契約で、顧問料に含む範囲はどう決めればよいですか?
連絡の手段と対応する時間帯、返信の目安、会議の回数、月の稼働の目安で特定します。そのうえで、書面の作成や長時間の相談など別料金になる業務を名指しし、稼働が上限を超えたときに追加報酬にするのか、繰り越すのかを決めておきます。顧問料の改定のルールと更新の止め方もあわせて書いておくと、長く続く関係でも揉めにくくなります。
「成果は保証しない」と書けば、返金を求められることはありませんか?
成果が出ないことだけを理由とする請求に対しては大きな意味がありますが、何が成果なのかを定義し、約束した業務を履行しない場合の責任は免れないことも書いておく必要があります。成果への評価を理由に支払を拒めないという条項も役立ちます。ただし、勧誘のときに断定的な説明をしていれば、相手方が消費者の場合は条項で取消しを防げません。
一括前払いのコンサル料は、途中で解約されても返さなくてよいですか?
事業者間なら合意は原則として尊重されますが、著しく過大なら一部が無効とされる余地があり、相手方が消費者なら平均的な損害を超える部分は無効です。報酬を最初に集中する設計の部分と継続支援の部分に区分し、終了の時期と理由ごとの精算を条文にしておくと、返さない部分の根拠を説明できます。
相手方から示されたNDAに、そのまま署名してもよいですか?
まず、損害賠償に上限があるか、義務がいつ終わるか、秘密情報の定義が「その他一切の情報」で終わっていないかの三点を確かめます。上限がなく、自動更新と終期のない存続が重なっていれば、受け取る側の負担は大きくなります。再委託を認めながら第三者への開示を承諾制にしている矛盾や、返還の例外の欠落もよく見られます。
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運営事務所・ご相談のご案内監修:アトラス行政書士法人(代表社員 荒木素子・特定行政書士) 最終確認日:2026年10月15日